いわゆる「1票の格差」が是正されないまま実施された7月の参議院選挙は、憲法違反だとして、弁護士らが選挙無効を求めている裁判が7日、広島高裁で始まりました。
この裁判は、7月の参議院選挙は、議員定数が各選挙区の人口に比例されず、憲法が保障する選挙権の平等に反する状態で行われたなどとして、弁護士グループが参議院の広島県選挙区と山口県選挙区の選挙無効を求めているものです。
裁判で原告側は参議院選挙の「1票の格差」は、前回は最大で3・03倍でしたが、今回は最大3・13倍に拡大していて憲法違反だと主張しました。一方、県選挙管理委員会側は「著しく不平等だったとは言えない」として訴えの棄却を求めました。
裁判は7日で結審し、判決は11月25日に言い渡される予定です。
裁判のあと取材に応じた升永英俊弁護士は、「日本は非人口比例選挙となっていて極めて異質であり、世界標準の方法から逸脱している」と話しました。
1票の格差を巡っては、2つの弁護士グループが、全国すべての選挙区で選挙の無効を求めて訴えを起こしています。