今年のノーベル化学賞に京都大学の北川進副学長らが選ばれました。8日に北川進さんが「news23」に生出演し、次世代へのメッセージを語りました。

6年ぶり9人目の快挙 日本人がノーベル化学賞を受賞

8日、日本時間午後6時45分。北欧から吉報がもたらされました。

「2025年のノーベル化学賞について、日本の京都大学、北川進氏らへの授与を決定しました」

受賞の発表を受けて、京都大学の会見場にかけつけた北川進さん(74)。

京都大学 北川進 副学長
「非常に辛いこともいっぱいあるが、実際に新しいものを作っていくこと、それを過去の30年以上、楽しんできた。今般、かくも大きな名誉をいただくことになって、非常に感激している。

何よりも化学を一緒に進めてきた、私達の同僚、学生の皆さん、そして海外含めた博士研究員の皆さんに感謝申し上げたい。そして当然、理解して支えてくれた家族にも感謝している。退職年齢を過ぎても、まだ研究してもいいということで、研究させていただいた京都大学には、本当に感謝しております」

北川さんは、金属と有機物の複合体「多孔性金属錯体」を開発しました。これは、ナノサイズの微少の穴が無数にある、ジャングルジムのような構造です。多孔性金属錯体は、たった1グラムで、サッカーコートに匹敵する表面積を持つものもあり、狙った気体を大量に閉じ込めることができます。

――受賞決定の知らせは、どこでどのように?

京都大学 北川 副学長

「高等研究院の私の居室で、ちょうど溜まっていた仕事を片付けていた。そのときに、私の横の固定電話に電話がかかってきた。5時半ごろですかね。最近、勧誘の変な電話がよくかかってくるんですよ。私はまたかと思ってですね、ちょっと不機嫌にとったら、スウェディッシュアカデミーの選考委員会の委員長だと名乗られたので、ちょっとびっくりしました。

やっぱり非常に大きな賞だし、名誉あるものだから、本当かな?と思ってしまいます。フェイクじゃないんだろうかと」

日本のノーベル賞受賞者は、個人では30人目。2024年、平和賞を受賞した日本原水爆被害者団体協議会と合わせると、31例目となりました。日本の研究者が化学賞に選ばれるのは、2019年の吉野彰さんに続いて9人目です。

70代男性
「すごいね、こりゃすごいよ。T細胞じゃないもんね、『多孔性材料開発に成功』――。わかんないね、これだけじゃ」

50代女性
「はじめてこんなに、続々と日本人の人生の大先輩が活躍されているのをみると、元気が出るというか、すごくいいことだと思います」

30代女性
「すごいなと思いますし、これからに発展する賞なので、どんどん新しい技術が磨かれて、日本も世界もよくなっていけばいいな」