9月に入っても厳しい暑さが続いています。広島県内の牧場では、牛の暑さ対策をしながら残暑を乗り切っています。
標高約400メートル、広島市佐伯区湯来町の「久保アグリファーム」では、120頭の牛が飼育されています。
近藤志保 気象予報士
「例年夏の時期は暑さで生乳の生産量は減るということですが、きょうは朝から雨が降ったため少し涼しいです。牛さんたちの元気な様子が見られます」
牛にとっての適温は、5℃~20℃程度。この時期は、牛たちもバテやすいそうです。
久保アグリファーム 久保正彦 社長
「牛の健康のバロメータはゆったりと座って、反すうしているかどうか。きょうは全然リラックスしている。ガンガン暑かったら呼吸が速い」
久保アグリファームの久保正彦社長は、40年以上、湯来町で酪農業に携わっています。
久保アグリファーム 久保正彦 社長
「標高が高い分だけみなさん涼しいだろうと言われるんだけど、意外と涼しくない。毎年少しずつ暑くなってるんだというのはありますね」

ことしは、観測史上もっとも早い6月末の梅雨明け以降、湯来町でも厳しい暑さが続いています。暑すぎると牛がエサを食べる量が減少し、栄養が下がり乳量も減るそうです。夏場は例年通り大型ファンを回し、ミストを噴射するなど対応を続けてきましたが、暑さのピークだった8月上旬からお盆時期までは、牛の体に直接水をかけて冷やしました。来年以降は、屋根の裏に遮熱シートの設置を考えているそうです。
久保アグリファーム 久保正彦 社長
「大変だ大変だって言っても解決しないんでね。酪農に関わっている以上環境に適応しないと」

久保アグリファームの敷地内には、カフェも併設。近年は、生産、加工、販売まで行う6次産業に力を入れています。
近藤志保 気象予報士
「久保さんの名前のついた、まーさんのミルクジェラートです。濃厚ですが、後味がさっぱりでおいしいです」
客
「眺めがいいです」
「ソフトクリームを食べました。濃厚でおいしかったです」
久保アグリファーム 久保正彦 社長
「消費者交流こそが酪農発展の原点だという思いがありますから、生産現場を見てもらって、作り手の思いを聞いてもらうことで、消費者との距離を縮めたいってのもあるんです。少しでも多くの方に乳製品を味わってもらいたいなと」