問題行動を起こして家庭裁判所に送致された少年のうち、保護や心身調査が必要と判断された少年らが一時的に生活する「少年鑑別所」で、大学生向けの施設見学会が実施されました。
施設見学が行われたのは、広島市中区の広島少年鑑別所です。大学生たちは、職員から説明を受けたり、職員と意見交換を行ったりして、少年鑑別所への理解を深めました。
学生たちからは「少年院と少年鑑別所の違い」や「法務技官や法務教官といった少年鑑別所職員の詳細な業務内容」などの質問が寄せられました。
参加者が所内を見学した際には、少年が実際に生活する居室スペースが公開されました。

テレビなどが置かれた3畳ほどのスペースの奥に、カーテンで仕切られたトイレがあります。状態が不安定な少年が自傷行為を行わないように配慮された部屋もあります。
また、心理検査の体験も行われました。自分の性格を理解することが更生への第一歩だということで、少年鑑別所でも心理検査が活用されています。
参加した県立広島大学2年生の女子学生は「普段は外部の人が入りづらい場所。実際に足を踏み入れて、学べることが多かった」と話しました。
広島少年鑑別所の谷口五郎 所長は「少年鑑別所では非行少年を収容するだけでなく、心理学や教育学の専門家として少年に対し、きめ細やかな働きかけをしている」とした上で「専門性の高い組織だということを、丁寧に説明することで理解してほしい」と今後の学生向け行事に意欲を見せました。