
この裁判では「女の正当防衛が成立するか」が争点となりました。
検察側は「正当防衛は成立せず、過剰防衛として傷害致死罪が成立する」として懲役6年を求刑。対する弁護側は「暴行は、男性から身を守るためのやむを得ないものであり正当防衛が成立する」として無罪を主張しました。
そして迎えた判決の日。広島地裁の石井寛裁判長は判決で、「通報時の発言から、自身の暴行や被害者の状態について認識していた」と指摘しました。
そして、女が加えた暴行については、動画や目撃証言から、男性が抵抗するような動きがなくなった後も暴行を続け、110番通報しながら倒れたままの男性を数回強く踏みつけ、さらに、通報後も繰り返し踏みつけたと認定しました。
判決では、「男性から突然なぐられもみ合いになるなど、当初は、男性からの攻撃に対する反撃として許容範囲といえる」と指摘しました。
しかし、形勢が逆転したあとの暴行については、「防衛行為として許される限度を超えている。暴行は男性への恨みを晴らすための攻撃という面が強く、あまりに過剰。男性が死亡した結果は取り返しの付かない重大なものである」として、懲役5年の実刑判決を言い渡しました。