「温泉に来たみたい」例年と比べて海水温は

この夏、瀬戸内海の海水温は、例年と比べると特に水面近くで2~3℃ほど高くなっています。猛暑日が続いたことや台風の到来による海水のかき混ぜが少ないことが原因といわれています。
ダイビングインストラクター 前田晃子 さん
「(夏に)水面の温度が初めて30℃になったことがあったので、例年より暑いです。温泉に来たような感じ」
こちらはウミウチワです。その先にはスミゾメミノウミウシが卵を産みつけていました。この海域に20年近く潜ってきた前田さんは、海の環境も少しずつ変わってきていると話します。

ダイビングインストラクター 前田晃子 さん
「ウミウチワがすごく増えていて、前は2か所くらいしかなかった。今は小さいのから大きいのまでたくさん見られます」
近年の海中の環境や生態の変化の原因は、夏の高い水温以上に、地球温暖化による影響が大きいともいわれています。
広島大学 統合生命科学研究科 坂井陽一 教授
「夏場や秋口に南の魚が一時的に入り込んだりするのはよくあること。問題は、実は冬なんです。(地球温暖化によって)冬場の水温が上がることによって、今まで冬越しができなかった魚たちが広島湾・安芸灘で生存ができるようになり、その魚たちが繁殖活動まで行うようになると、古くから存在していた冷たい水を好む魚たちが人知れず消えてしまう」