79年前の9月17日、被爆後間もない広島を襲った「枕崎台風」。原爆の惨状を記録したフィルムには甚大な被害をもたらした枕崎台風の爪痕も刻まれていました。

広島県廿日市市の宮島の対岸。1945年10月に撮影された原爆記録フィルムには、崩落した建物や地上には大きな岩が散乱しています。これは、原爆による被害ではなく、昭和の三大台風の一つ「枕崎台風」によるものでした。

崩壊した建物は大野陸軍病院です。爆心地から20キロ以上離れた病院には原爆投下後まもなく負傷者が運び込まれ治療を受けていました。しかし、台風により発生した土石流で多くの犠牲を出しました。

原爆被害の調査のために病院を訪れていた京都大学の調査班11人もまた犠牲となりました。