広島市中心部にある老舗の旅館が、先月末で閉館しました。かつては王さんや長嶋さんといったプロ野球の大スターも泊っていました。創業直後から65年の歴史を歩んだ大女将からお話を聞くことができました。


大女将の高田泰子さんです。世羅別館が創業したころに高田家に嫁ぎ、長年、女将を務めてきました。カメラの前で休業した思いを話すのは初めてです。


世羅別館の創業は1957年。被爆からの復興が進む中、高田家は、広島市中心部で呉服店を営んでいましたが、遠方からの取引先を座敷に泊めてもてなしていたことから旅館も始めることにしました。


世羅別館 大女将 高田泰子さん
「どんどんお客さんが増えて、大きいものをこしらえようと言って世羅別館ができた。本館(建物)は旅館には向いていないので、やめました。」
― 世羅というのは?
「(創業者の)義父が世羅郡出身なのです。」


開館直後から世羅別館を「定宿」にした一行がいました。宿泊先を探していたジャイアンツです。


1980年ごろまで遠征のときは宿舎として利用しました。王貞治さんたちは、畳敷きの客室で素振りをしていたそうです。


高田泰子さん
「(王さんは)よく練習をされていた。バットを振ってね。そうすると畳がものすごく傷む。よじれたように。たまに壁に当たってポコッとへこみができていました。」

泰子さんが特に印象に残っているのは、ミスタージャイアンツ・長嶋茂雄さんです。