才木さん
「こんにちは」

この日は証言者になって5回目の講話です。
才木さん
「当時、どれだけむごい惨状だったのかは伝えたいと思っている。でも、それが分かるかどうかよね、あまりにも状況が違うから。まだまだリラックスして話ができないから。これからですよ」

資料の使い方やしゃべり方、どうすればより伝わるのか、才木さんは考え続けています。
証言を聞くのは大阪から修学旅行で来た中学3年生です。原爆の惨状を語ったあと、平和の大切さを訴えました。

才木さん
「世界の人は核の恐ろしさを知りません。実感しておりません。私たちは本気になってその恐ろしさを知らせていかなければならないと思うんですよ」
証言を聞いた中学3年生たち
「今までYouTubeとか動画でしか被爆体験を聞かなかった。自分が次の世代にも語り継いでいかないとなと思いました」
「今の平和な環境や時代がどんなに大切かわかった。これからもこの平和な時代を続けていかなければならないと思いました」

92歳で証言者となった被爆者 才木幹夫 さん
「伝えるの難しいね。もっともっと、ぼく自体が学習しないといけない。ぼく自身のことも学ばないといけない。まだ今からですよ」
1回1回の講話を大切に、これからも語り続けるつもりです。

◇ ◇ ◇
才木さんは、いつかは語らなければという思いと、一方で思い出したくないという辛い記憶の間でずっと悩んでいましたが、世界情勢を受けて決心し、語り始めたといいます。
79年前のことを伝える難しさを実感しているとのことで、講話原稿を読むのではなく対話するように語る方がよいのか、視覚的に分かるように写真や資料を増やすべきか、常に考えているといいます。より正確に伝えるため、一中の同窓生にも会いに行って話を聞いたりして学んでいるといいます。才木さんの行動には我々も勇気をもらう気がします。





































