
御前漁協 峠誠二 理事
「目の前のカキいかだ…。あそこにまきました。2021年、3年前にまきました」

廿日市市の地御前漁協は、3年前からカキ殻の海底散布に取り組んでいます。
地御前漁協 峠誠二 理事
「最初は、カキの身入りが夏場の高水温で悪くなっていたんですよね。何がいかんのかなと思っていて、カキ殻をまいたらいいよねっていうような話も聞いて」
近年のカキの身入りの悪さの原因の1つが、夏の暑さだといわれています。

表面の水温が上がると上の方のカキが弱るだけでなく、海の底が酸欠状態になり、何十年もかけて蓄積したヘドロの中で菌の動きが活発化。大量に発生した硫化水素が下の方のカキも死滅させると考えられています。この問題の救世主が、カキ殻だというのです。

広島大学 山本民次 名誉教授
「硫化水素は猛毒なので海の生物も住めないんです。だから海底にはもう全然、生物がいないんです」

山本名誉教授は、15年ほど前からカキ殻の浄化能力に注目した、さまざまな研究を進めています。
広島大学 山本民次 名誉教授
「わたしがやった中で一番の注目は、硫化水素を吸着する―。吸着だけじゃない、酸化して無害なものにする―ということがわかったので」




































