「はっきり言って全く違う」今回の方がいいと職人も太鼓判

漆職人 諸見由則さん
「現代のもので色を近づける。それでやったのがこれですよ、これが黄色の顔料を混ぜたやつ」

新たに生まれ変わる扁額制作のリーダー、漆職人の諸見由則さん。黄色の漆を再現しました。

漆職人 諸見由則さん
「要するにこの漆に顔料を混ぜたらこれになります。基本的にもうちょっと明るいですよ。もっともう少し色が出るんですけど。沖縄は特に朱と黒ですよ。器物もそうなんだけど、黄色を塗ることはほとんどないですよ」

かつての原料にはヒ素が含まれるため、同じものは使えません。さまざまな顔料や漆の配合を試して、この黄色の漆にたどり着きました。

試作品は「中山世土」の半分、「世土」を作りますが、それでもこの大きさです。額がつけば、さらに迫力が増します。

実は尚家文書でわかったことは「黄色塗」だけではありません。「御印朱塗」=「御印は朱塗りであること」。そして「御字金薄磨」=題字には金箔が施されることです。

この日は、試作の最終段階「金箔押し」、題字に金箔を貼る工程です。接着剤の役目をする漆を塗り、慎重に金箔を置くこの作業。「金箔押し」を2回行い、「金箔磨き」を施せば、完成です。

この試作品が成功すると、いよいよ来年から本制作に入ります。

漆職人 諸見由則さん
「前回携わっていたので、はっきり言って全く違いますよ。僕はこの方がいいのかなと思って、1日でも早く、焼失したことよりも新しいものを見てもらった方がいいのかなと思っている」

黄色の地板に映える金の文字。色彩と装飾を新たにした、正殿の顔がみえてきました。