旅先にいながら仕事をする「ワーケーション」という言葉。
コロナ禍に注目を集めたあと、最近あまり聞かなくなった印象がありますが、県内の宿泊施設は今どうなっているのでしょうか。

実は、従来の旅とは異なる新しい滞在のスタイルを提案している宿泊施設がいくつもあるんです。

那覇市松山のエスティネートホテル。毎週日曜日にスタートするツアーが人気です。

一室に集まったのは、20代から50代の参加者。初顔合わせをしたあと、ホテル内のレストランで、料理を囲んで交流会です。

このツアーは、「ソーシャルワーケーション」とよばれるもので、リモートワークと交流をセットにした、ユニークな取り組みです。

エスティネートホテル那覇・濱田佳菜マネージャー
「新しい人に出会ったり、新しい物事に出会っていくことで、自分の人生を豊かにしてほしいなという思いが元々あるので、みなさん交流したい気持ちを持っている。そこをうまく本当に引き出したい」

ツアー期間は1週間。初日は全体オリエンテーションが行われ、2日目以降は各自、自由にリモートワークです。

宿泊者専用のワーキングラウンジをはじめ、レストランなど、気分に合わせて様々な場所で仕事が可能。

リピーター(8回・50代)
「他だと完全に『個』なわけですよね、その部屋にいてとか、ひとりでとかになる。ここは1週間の枠のなかでみんなそこに来るというのがあるので、交流の機会がいろんなところにあるのが面白いと思いますね」

リピーター(2回・20代)
「それこそ仕事を一緒にする仲間になったりとか、いろんな可能性をすごく秘めているので、めちゃくちゃいいなと思います」

2020年開業のアンテルーム那覇。エントランスに入ると、美術館のような空間が広がります。

こちらでは、ひとりで来るからこその、ぜいたくな時間の過ごし方を提案しています。
そのきっかけは…漫画でした。

ホテルで過ごす”おひとりさま”の時間を大切にする人々を描いた人気コミック『おひとりさまホテル』。実在する選りすぐりの宿が登場するなか、沖縄からはこのアンテルーム那覇が舞台に。

漫画では、ワーケーションで滞在中の女性が、ひとりでのんびり過ごしているうちに、ホテルの空間に沖縄らしさを見つけていく様子などが描かれています。

原案者・おひとりプロデューサーまろさん
「沖縄のアーティストの方々の作品もそうですし、沖縄の空気が感じられるような廊下とかもそうですけど、作られた沖縄というよりも、ナチュラルな沖縄の感じが楽しめるのが、すごい泊まってみていいなと」

本で取り上げられたことを機に、漫画の原案者で”おひとりプロデューサー”のまろさんをアドバイザーに迎え、ひとり旅の人がぜいたくな時間を過ごせるような宿泊プランを考案しました。

ホテルアンテルーム那覇・國吉早希支配人
「ホテルの部屋であったり空間を独り占めできるとか、本当に時間にとらわれず、自分の好きな時間に起きて、自分の好きな時間にカフェに行って、好きなものを食べて、そういったくつろぎ方をご提案ができたらと思っておりますね」