普天間基地の移設に向けた辺野古沖の軟弱地盤の改良工事などをめぐる裁判で、最高裁は沖縄県の上告を退け、県の敗訴が確定しました。記者解説でお伝えします。
まず、今回敗訴が確定した裁判、何が問われていたのか、確認していきましょう。
平良記者
政府は普天間基地の移設先として辺野古沖およそ150ヘクタールを埋め立てる予定で、辺野古側の区域では5年前に土砂の投入が始まっています。
ただ地図で赤く示されている範囲で軟弱地盤が見つかったことで、埋め立て予定地の大部分で工事が止まった状態となっていました。

(キャスター)
この場所で埋め立てを進めるためには海底地盤の改良が必要で、国は工事の設計変更に玉城知事の承認を得る必要がある、ということですね。
平良記者
沖縄防衛局は3年前、県に対し設計の変更を申請しましたが、県は地盤の安定性に関する調査が不足していて、基地として利用できるようになるか不確実である、よって普天間基地の危険性の早期除去にはつながらないとして、およそ1年半後に「不承認」としています。

(キャスター)
これに対し国土交通大臣が、「不承認」を取り消す「裁決」と承認するように迫る「是正の指示」を出しています。
国の対抗措置は「不承認」の取り消しと新たに「承認しなさい」の2つに分かれていたんですね。

平良記者
国の「裁決」について不服として県が国を訴えていた裁判では先月、最高裁で県が敗訴しています。そしてきょうの最高裁判決はこの「是正の指示」について県が国を訴えていたもので、県の敗訴が確定しました。

(キャスター)
今回の最高裁判決は、前の翁長雄志知事から移設阻止の戦いを受け継いできた玉城知事にとって、大きな節目となるものです。
特に軟弱地盤の存在は県にとって最大の切り札で県はこのカードを手に、5年にわたって攻防を続けてきました。経緯をまとめました。