国の文化審議会は21日、「首里の織物」の染織作家・祝嶺恭子さんと、「琉球古典音楽」の演奏家・大湾清之さんを人間国宝に認定しました。
県内からの人間国宝認定は2年ぶりの快挙です。

琉球王国時代に首里の王家や士族のために織られた「首里の織物」の染織作家として、人間国宝に認定された祝嶺恭子さんは那覇市出身の86歳。

祝嶺さんは東京の女子美術大学で染織技法を幅広く学んだほか、国内外に保存された琉球の染織品の調査・研究に取り組むなど織物の研究を重ねてきました。

「首里の織物」染織作家・祝嶺恭子さん
「戦争で、全部直接教えてくれる方々がいないですよね。作品が残っているのでそれを見て学んだものを、自分は後輩に教えていく使命があるんじゃないかなと思っている」

「琉球古典音楽」の安冨祖流演奏家として人間国宝に認定された大湾清之さんは読谷村出身の76歳。

三線演奏家の父のもとで幼いころから歌三線や笛などの伝統音楽に触れ、1968年に初舞台を踏みました。

1974年には安冨祖流の研究所を開設し、後継者の育成にも力を入れてきたほか、安冨祖流で伝承が途絶えた「仲節」などの復曲を行うなど、琉球古典音楽の振興発展に大きく貢献してきました。

琉球古典音楽安冨祖流・大湾清之師範
「その時代の人達の歌詞に込められたものの考え方であるとか」「ひとりでも多くの人が理解できるようにこれからは活動していきたいと思いますね」

県内では、祝嶺さんと大湾さんを含めてこれまでに17人が人間国宝に認定されています。