突然ですが皆さんは働く環境・待遇に関して『9K』という言葉を聞いたことがあるでしょうか。きつい、汚い、危険の『3K』は聞いたことがあるかもしれませんが、看護業界では、これに「給料が低い」「薬が手放せない」、つまり健康不安など、過酷な条件を加えた造語で、9Kと言われるそうです。過酷な労働環境が、コロナ禍を経てさらに悪化していると訴える看護師たちの現状を取材しました。

『9K』と言われる看護師の労働環境 7割の看護師が健康に不安抱える

(沖縄県医労連の会見)
「人手が不足すると休みが取れなくて、休みが取れないと疲労が溜まって、患者さんに質の高いケアができなくなる」

今月5日、医労連が開いた会見。深刻な人手不足により沖縄県内の看護師のおよそ7割が健康不安を抱えながら働く現状が明らかになりました。

しかし、この看護師の過重労働の問題は今に始まったことではありませんでした。

「もしもし看護師110番です」

1997年、ナースウェーブと呼ばれる看護師の労働環境を見直す動きの最中、県の医労連の事務所はひっきりなしに看護師から寄せられる相談の対応に追われました。

その後も20年以上続けられてきた運動。なぜ、沖縄の看護師の労働環境は変わらないのか。

県内の病院で働くAさんとBさんが長年、沖縄の看護師に圧し掛かる負担を明かしました。

看護師Bさん
「癌の患者さんとかが手を握っててほしいって涙ながらに言われるけども、手を握っている間もすごいピッチで電話で呼ばれて『今どこにいるの?』って」

看護師の慢性的な負担の原因の1つが“人手不足”。高齢化に加えさらに拍車をかけたのが、新型コロナの流行です。

看護師Aさん
「私たちの病棟で1月に8人辞めていて、自分たちの病棟もこの2,3か月で4,5名辞めているから。病床数決まっているのに、ねじ込んできたりだとか。31床って決まっているのに34人みたりだとか」

看護師Bさん
「病床じゃないところに患者さん置いていたり。看護師も少ないのに病床数だけ増やしてもねっていう」

新型コロナの影響はこんなところにも。

看護師Bさん
「コロナのせいで実習に行けてない看護師さんたちがその在宅の勉強だけで看護師になるっていうのもあって、来たところで何も知らない」

現場を経験せず採用された看護師たち。実際に処置をする際、思うようにいかず自信をなくし辞めていく人も多いと言います。

さらに、沖縄の看護師たちには別の大きな壁がありましたー