「薬物をやめることが私の人生です」あるバンドマンが語った言葉
吉間氏は過去に出会った薬物犯罪者の記憶も語った。バンドマンで、大麻事案の再犯者だった。
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裁判で男性は、認知行動療法や条件反射制御法といった、依存症に関する治療を真剣に受けたと話し、違法薬物をやめると誓った。
音楽の現場に近い繁華街で大麻を買っていた自分の生活パターンを断ち切るため、彼は「音楽をやめる」とも宣言した。薬物使用と音楽が結びついていたから、そのリスクを回避するライフスタイルを確立するというのだった。

吉間氏は法廷でこう問いかけた。
――薬物をやめたあとの、あなたの人生はどうしたいの?
男性は答えた。
「薬物をやめることが私の人生です」
裁判官も同じ質問をしたが、男性は「薬物をやめることが私の責任です」と繰り返した。
これは極端な例ではない、と吉間氏は言う。薬物との結びつきを断ち切るために、生きがいをも、生活から排除する。支援プログラムに従おうとする男性の人生は、強力に支配されているように感じられた。








