“更生しそうな人” だけを助けていないか?

犯罪から立ち直ろうとする人を「支援する」とはどういうことか。その問いは、支援者の側ではなく、むしろ支援の構造そのものに向けられるべきだ。検察官を務める一方、更生支援を研究する研究者でもある吉間慎一郎氏はそう語る。「支援」だと思ってしていることは、「支配」になってはいないか、と。

今年1月、沖縄・南風原町で開かれた、薬物再乱用防止支援に関する研修会。この日、登壇したうちの一人が、吉間慎一郎氏だ。福岡地方検察庁に勤める現役の検察官でありながら、犯罪学や刑事政策などにおける研究者としての顔をもつ。講演の冒頭で吉間氏は、仕事として薬物事犯を扱うことは当然あるが、この日は検事としてではなく研究してきたことを話していくと前置きし、語り始めた。

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もとは弁護士志望だったという吉間氏。学生時代に、東京・山谷地域でのホームレス支援のボランティアに関わったことが、研究の道に入るきっかけだった。

吉間氏:
「山谷という地域でびっくりしたのが、誰が支援者で誰が支援されている人か、分からないんです。あるところでお茶汲みして、生活困窮者に配っている人が、ある時は炊き出しに並んでるんですよ」