判決で問われたもの
裁判長
「上の二人の子の養育を委ねていた母に妊娠の事実を伝えづらい面があったことは理解できるが、少なくとも関係が良好であった交際相手にそれを伝えることは十分可能だった…」
「また、被告人が想定より早い出産となってかなり動揺していた面があったにせよ、他の選び得る道のある中で被害児を死なせることを選んだ意思決定は、あまりに不合理で浅はかというべき」
判決で裁判長は、Aが妊娠を一人で抱え込んでしまった背景に理解を示しつつ、子の殺害という行動の軽率さを指摘し、懲役4年の実刑判決を言い渡した。
情状酌量の余地がある場合に取られる酌量減刑が適用され、殺人の法定刑(5年以上の懲役)を下回る量刑だった。
実刑が言い渡された瞬間、法廷で見守っていたAの母親は顔をゆがめ、涙を流した。
Aは控訴せず、罪を償う道を選んだ。








