太平洋戦争で多くの県出身者が犠牲となった南太平洋のパラオ共和国で慰霊を行うため、帰還者や遺族らでつくる団体が10日、那覇空港を出発しました。

「パラオ慰霊墓参の旅」にはパラオからの帰還者やその家族など14人が参加しています。
現地で激しい空襲を体験した田中順一さんは、高齢のため今回が最後の現地訪問となります。

沖縄パラオ友の会・田中順一会長(92)
「(パラオは)食糧難で、食事するものがなくて餓死状態が多くて」「(現地の)県系の方も亡くなって、3世が幸いにも元気でいらっしゃるから、彼らにいろんな慰霊の維持管理などを今後お願いしようと思って」
妹を亡くした渡久山盛幸さん(84)
「(母は妹のことを)あまり話さなかったけど、言葉の端々に妹の亡くなった状況とか、そういった話はしていました」

参加者は10日、那覇空港国際線ターミナルで出発式を行いました。
父と妹を亡くした玉村弥徳さん(88)
「親父が出征するときには、みんなでお別れパーティーして。行ったきり、帰ってこなかった、ペリリュー島。玉砕さ」
「(亡くなった家族に)最後に、会いに来たよっていうさ。お墓もパラオにあるし」「パラオが恋しい」
ツアーは14日までの5日間の予定で、沖縄に関係する慰霊碑の前で祈りを捧げるほか、戦跡を訪れる予定です。








