今年の訓練の特徴は?記者が解説
▼上江洲まりの記者
「NMESIS」「MADIS」と聞き慣れない横文字が並んでいますが、どれも米軍が開発した“新兵器”です。すべて軍事的な動きを活発化させる中国を念頭に開発されました。今回話を聞いた野添教授が指摘するのが、フィリピンでの動きです。
台湾を挟むようにしてフィリピンと沖縄がありますが、米軍は、中国を念頭にこの2か所を中心に新兵器の展開を進めています。フィリピンでも沖縄と同じように米軍との合同の訓練が頻繁に行われていて、既にNMESISとMADISが訓練で使われ、展開されています。
米軍は今回、石垣島に初めて展開し、実動訓練のなかで使用しますが、そのまま県内に安定的に配備する狙いもあるとみられています。
今回特に注目が集まったのが、国境の島、与那国での動きです。訓練の実施が明らかになったころ、与那国では新たな町長が誕生しました。
上地常夫町長は選挙戦から訓練には反対の姿勢を示していて、今回の訓練では当初、与那国に「HIMARS(ハイマース)」と呼ばれるロケット砲システムなどが展開されることになっていました。
防衛省は町との調整を続けましたが、結果的に理解を得られなかったことから、このHIMARSなどの展開を取りやめ、駐屯地内での「衛生訓練」のみを行うということで、訓練の規模を縮小しています。