「牛伝染性リンパ腫」。ウイルスが原因となって発症する、牛の「がん」だ。“牛白血病”とも呼ばれる。感染牛の肉を食べても人にはうつらない、牛だけの病気だが、サシバエなどの吸血昆虫が媒介して近年、感染が拡大。畜産農家は対策に頭悩ませている。
牛伝染性リンパ腫は潜伏期間が5年から10年と長く、気付いたときには牛舎にまん延している可能性が高いのが特徴だ。60頭あまりを飼う本島中部の農家は、かつて多くの牛がウイルス陽性となり、陽性牛をゼロにする清浄化におよそ10年を費やした。
牛伝染性リンパ腫を克服した子牛の繁殖農家
「ちょっと活力がなくて食欲が落ちてきてる牛が1頭いて、それで保健所の人に調べてもらったら、“白血病ですよ” と言われて、そこから検査したら7割くらい陽性牛」
「隔離とか人工保育とかしながら徐々にやっていった」