今年2月、糸満市で行われた遺骨収集の作業中に、ある中学校の校章が見つかりました。沖縄戦で多くの生徒が亡くなり、その後廃校となった開南中学校の校章です。
校章を身につけていた人は誰なのか…。ボランティアが遺骨のDNA鑑定を呼びかけています。

糸満市の福地集落にある小さな森。うっそうとした茂みを分け入った先に、ぽっかりと口をあけた「ガマ」と呼ばれる自然の壕があります。

暗いガマの奥で、今年2月、ひとつの金属片が見つかりました。
1936年に、県内唯一の私立中学校として開校した「開南中学校」の校章です。学生帽につける「帽章」だったとみられています。

▼遺骨収集ボランティア 浜田哲二さん
「帽章が出てきたのはねこのあたり」
発見したのは、遺骨収集ボランティアの浜田哲二さんと律子さんのグループです。
沖縄戦で開南中学校は生徒・教職員合わせて279人が亡くなり、その後廃校となりました。

2019年に国立公文書館で開南中の学徒隊名簿が見つかったほかは公的な記録に乏しく、戦場にかり出され犠牲となった少年たちの実態は明らかになっていません。
▼遺骨収集ボランティア 浜田律子さん
「開南に関係する人がいたのは確かなんですよね。卒業生かもしれないし、学徒かもしれないし。帽章に関係する人が絶対いたのは確かなんですよ」
