▼ハンドラー 上間慎矢さん
「イノシシに蹴飛ばされ、蹴散らされた筒ワナですね。元々はアンカーピンで、T字で繋がって動かなくなっているが、イノシシが餌をとるため外してバラバラにし被害を受けている」

鹿児島県・奄美大島では今月マングースの根絶を発表しましたが、沖縄ではリュウキュウイノシシの行動が駆除に悪影響を与えている。

イノシシが蹴散らしたとみられるマングース捕獲用のワナ

▼環境省 やんばる自然保護官事務所 椎野風香さん
「イノシシが干渉してくる被害は奄美ではほとんどなかった。そこは大きい。日々の捕獲作業は奄美大島と連携しながらやっていて、使うワナの種類と、探索犬を使っているところは同じですね」

特有の問題がある沖縄だからこそ、マングース探索犬は不可欠な存在だ。

ワナを壊すイノシシ(提供:環境省やんばる自然保護官事務所)


探索犬による捕獲数は2022年で18頭。前年から倍以上に増え、全体の捕獲数の3割以上を占める。数字上でも役割の重要性が高まっていることが分かる。

やんばるの森の生態系を守るため、犬と人が協力して行うマングースの防除活動は、「陸の豊かさも守ろう」というSDGsの目標に繋がっている。

▼環境省 やんばる自然保護官事務所 椎野風香さん
「普段この作業をしてないときは普通のかわいいワンちゃんたち。この子たちが森の中で駆けまわって活躍してくれてるのはすごいことだと思います。ワンちゃんたちのマングース事業に対する貢献度はすごく大きい。これからも頑張ってほしい」

▼ハンドラー 上間慎矢さん
「フンを見つける仕事でマングースの捕獲に貢献していければ、結果的にヤンバルクイナだったり、希少種の回復にも一役買えればいいな」

やんばるの生態系、豊かな自然を守るために、地道な探索活動が続けられています。(取材 愛久澤力也 SDGsについて考えるシリーズ「つなごう沖縄」2024年9月26日放送回)