今月、米軍が嘉手納基地でパラシュート降下訓練を強行したことを受け、地元の嘉手納町議会は訓練の全面禁止を求める抗議決議を全会一致で可決しました。

米軍のパラシュート降下訓練は原則、米海兵隊が管理する伊江島補助飛行場で実施することに日米両政府は合意していますが、米軍は伊江島の滑走路の状態が悪いことを理由に、県や地元自治体が反対の声を上げるなかでも訓練を繰り返していて、今月8日にも訓練を強行しています。

嘉手納基地上空で実施された降下訓練(7月8日)



これで1年間の訓練数では最多、今年に入って5回目となりました。

この事態を受け地元嘉手納町議会は24日午前、臨時の本会議を開き意見書と抗議決議の案を審議しました。

嘉手納町議会(24日)



▽嘉手納町議会基地対策特別委・當山均委員長
「もはや嘉手納基地での降下訓練は“常態化”していると断じざるを得ない」
「“嘉手納基地における負担軽減”に逆行しており、我慢に我慢を重ねてきた町民の怒りは頂点に達しつつある」

嘉手納基地でのパラシュート降下訓練の全面禁止と、日米合同委員会で合意された「例外的措置」の撤廃などを求めた意見書と抗議決議の案は、採決の結果全会一致で可決されました。

嘉手納町議会では会議終了後直ちに沖縄防衛局へ要請を行ったほか、今後日程を調整のうえ米軍に対しても直接抗議する予定です。(高瀬弘行)