具志堅さんらと、防衛相の間で堂々巡りが続く中、風穴を開けたのは県外に住む遺族でした。

北海道の遺族 米本わか子さん
「私たち遺族は、国の計画は何も聞いていないんですね。私たち遺族からすればまず説明されていない。何ですか?ということ」
北海道から参加した米本わか子さん。沖縄戦で母方の祖父を亡くしています。
北海道の遺族 米本わか子さん
「(祖父が戦死して)77年がたち、もう今ではすっかり沖縄県民ですから。そういう意味では、(辺野古に)持っていかれないように張っていてねと。こっちはこっちでやるからねという感じでね」
“母親に戦死した祖父の足跡を伝えたい”という思いがきっかけで、祖父について調べ、沖縄にも足を運んでいる米本さん。遺骨が故郷に還ることを願ってきました。

北海道の遺族 米本わか子さん
「私の祖父です。その土砂には、戦没者の遺骨がまさに混ざっているんです。戦没者の遺骨は、戦没者自身と遺族のものです。ですから私はきょう(祖父の写真を)毎回持ってきているが、これをどうしても分かって頂きたくてきた」
その他の遺族も-
千葉の遺族 田村広志さん
「(防衛省は)土砂の調達については、今後しっかり検討して参りますと答えている。はっきり結論を出して下さった方がいいのではないでしょうか。」
沖縄の遺族 祖慶眞行さん
「摩文仁に向かう国道で、一家全滅した複数の民家の仏壇の悲痛な訴えに耳を傾けて欲しい」
遺族の声に。防衛省は一つだけ、用意していたものと違う解答をしています。


上田さん「これからご遺族の意見を聞く気がありますか?」
防衛省担当者「ご遺族の意見を賜ることはその予定はございません」
「遺族の意見は聞く予定はない」という国の姿勢。戦没者、そして遺族への配慮はどこにあるのか、具志堅さんは悔しさをにじませます。
具志堅さん
「遺族ってどういう存在なのかということを、考えさせられて。当事者は遺族ですよ」
煮え切らない思いのまま、普段飲まないビールを流し込んだ翌日、具志堅さんは思いを新たにしていました。
「全国のご遺族に一緒に(国の計画を)止めましょうと。声を集めに行きます」
国に代わり、全国から遺族の声を集める。具志堅さんの新たな取り組みが動き出しています。