ジラさんの教えを守り続けた「手づくり」
那覇のまちぐゎー(市場)に工場を構える「ジランバ屋」。かまぼこづくりは、夜明け前に始まる。時計の針は朝5時を指す。
▽創業者・ジラさんの孫 ジランバ屋代表 玉城吉蔵さん
「今の時間からやらないと間に合わないわけ。昼から作ったらもう、朝から作ったら昼あとにしか売れないさ…」
食堂や仕出し屋への納品に間に合わせるため、朝は時間との勝負。フル稼働する年季の入った装置は、創業者・ジラさんの孫・正博さんのお手製だ。
▽創業者・ジラさんの孫 ジランバ屋工場長 玉城正博さん
「カッターで白かまぼこをね。同じ長さにカットする。もともと電気屋だったから。制御関係は自分知っていたものだから」
15種類ほどある商品のなかで、1926年の創業当初から作られている商品が
「ちきあぎ」だ。魚のすり身に、ゴボウのさわやかな風味と食感を加えた一品で、機械は使わず手作業で仕上げる。
▽玉城正博 さん
「手作業がいいですね。機械でするとどうしても見た目はいいけど味が違う。(ジラさんは)ごぼうを多めに入れなさいって言ってました。お客さんのためじゃないですか。ケチケチするな、多めに入れなさいって」
店が遊び場だった、ひ孫のゆめ子さん。大人になった今も、仕事が休みの日には、工場を手伝う。
▽ジラさんのひ孫 照屋ゆめ子さん
「生まれた時からジランバ屋があることが当たり前で。この環境でずっと育ってきたので、すごい恩もあって、ジランバ屋に。なので返せることはやりたいと思って。今もできるところは手伝っています」