カメラマンの息遣いからも環境の厳しさが伝わってくる。

▽カメラマン
「イタタタタ。足元が…」
「酸素が薄い気がします。息が上がっているだけかな」

▽瀬名波榮喜さん

「記憶とか本に書かれた事とは全然別ですよ。実際にそこに入って行ってみたら、これは窒息するんじゃないのかと。そういう臨場感がある」
「日本の兵士たちは、あまりにも息苦しいものだから第4坑道の方にいって、新鮮な空気を吸っていたということです」

坑道の撮影区間約110メートル。沖縄戦から79年の時を経て、カメラが捉えたのは当時の過酷な状況だった。


瀬名波榮喜さん
「沖縄の運命を決定づけたのは32軍司令部壕なんです。その一部が公開されるのは非常に有意義だと。戦争体験者がどんどん減っている。沖縄戦の実相を伝える語り部になる」

現在、進められている壕の保存・公開ともに、今回の最新映像もまた、“永遠の語り部”として沖縄戦を次世代へと伝えていく。(取材:今井憲和)