首里城正殿の顔を任された富山の彫刻師

在りし日の首里城。奉神門をくぐった先に飛び込んできたのは堂々と佇む正殿の姿でした。特に目を引いたのが中央部分の唐破風(からはふ)。龍や雲の彫刻=妻飾りが施され正殿の”顔”ともいわれています。

再建工事が進むなか、唐破風・妻飾りの製作もスタートしました。この大役を担うのは、富山県の彫刻師・砂田清定さん。彫刻師としておよそ50年の功績が認められ、参加に至りました。

富山の彫刻師 砂田清定さん
「首里城の彫刻をさせて頂けるとは、まったく思っていなかった。ものすごく嬉しかったっです。眠れなかったです」

第一段階の作業は、妻飾りのベース・下絵の製作です。平成の復元の下絵をなぞりつつ、沖縄文化研究の第一人者・鎌倉芳太郎の高精細写真からも、新たな知見を得て作業を進めます。

砂田清定さん
「ポイントは線をきれいに流せるか。滑らかに描けるか。絵を描くのと彫るのを一緒にいつも考えている」

また今回は人材育成の一環で、県内の職人も参加。後藤亜和さん、最年少の宮大工です。

最年少宮大工 後藤亜和さん
「彫刻への想像力が全然足りない。砂田さんは先が見えているんですよ。描く線の先が」

砂田清定さん
「やっぱり経験することですね。それと失敗を恐れないこと」