6月20日にオミクロン株の変異株「BA.5」感染者が確認された沖縄ではいち早く感染が拡大しました。
7月20日には1日の新規感染者数が初めて5千人台となり、累計の感染者数は30万人(沖縄県人口約146万人)を超えました。その後も連日5千人を超える感染者が確認され、28日には累計34万人を超え、7月中に35万人を超える見通しです(⇒末尾に追記あり)。
(※7月30日に累計で35万人を越え、8月9日には累計40万人を、8月23日には45万人を超えました。8月23日追記)

一方で経済では主力の観光業を中心に客足が戻るなど“再開への機運”は高まっています。
人口当たりの感染者数で全国最多が続く沖縄の現状をまとめましたー

【3月下旬から連日の”人口比全国最多”の感染者 病床使用率は9割近くに】
7月28日時点の直近1週間の沖縄の人口10万人当たりの新規感染者数は2,223.26人で全国最多(全国平均1,056.74人)。新型コロナ専用病床の使用率も7月下旬には8割を越え、29日時点で88.7%に。
感染拡大は医療の現場で働く人も直撃し、21日には新型コロナの対応にあたる「重点医療機関」で感染や濃厚接触による休職者が1,000人を超えました(29日時点では1234人に)。
県庁内の「コロナ対策本部」180人のスタッフが入院の調整などに追われている


【医療の現場では―】
那覇市消防局では2時間近く経過しても搬送先が見つからない事例も出てきています。

那覇市消防局 城田覚主幹
搬送に約2時間というのは聞いたことがない時間です。病床ひっ迫・受け入れ困難となって、現場滞在時間も延びたり医療機関に問合せる回数も伸びてきていると思う」

那覇市消防局によると救急車で患者を搬送する際に医療機関へ受け入れを問い合わせる照会が4回以上で、現場での滞在時間が30分以上かかった「緊急搬送困難事案」は先月27日から今月24日までに19件発生し、以前の統計と比べると2倍以上増加しています。

搬送先が決まらないと、次の出動にも対応できない。患者の治療がも始まらないので患者の負担が大きくなると城田さんは危惧しています。

入院が必要でも受け入れ先が見つからない患者を一時的に受け入れる入院待機ステーションでは、当初用意していた25の病床を上回る患者を受け入れざるを得ない状況となっていて、今月に入って療養中の患者1人が待機ステーションで死亡しています。

さらに本島北部で新型コロナ患者の受入れている県立北部病院の永田 恵蔵(ながた けいぞう)医師はコロナ病床を確保するために、本来必要な医療を提供できていない現状が続いているといいます。
高齢者施設など施設で療養している人は29日の時点で1609人に達しています。

県立北部病院 永田恵蔵医師
「 “大丈夫だろう”という予想のもとで、自宅療養やホテル療養に切り替えたりしている状況だし。帰って頂いたけど、やっぱりきつくなって再度救急車で来られたとか。この2年間の中で、1番いま、怖いなという状況ではあります

同時に永田医師は、帰宅時に酔っぱらって歩ている人をみると世間とのギャップを感じると心情を吐露しています。

他方、「社会活動の制限は耐えられる限界に達している」と訴える声も噴出してます。県庁前には約300人が集まりシュプレヒコールを上げました。