血液検査によって産まれる前に胎児の病気がわかる新出生前診断の認証制度が、7月からスタートしました。大分県内の現状とダウン症の子供を育てる家族を取材しました。

大分市に住む永田さん家族。6歳の悠眞くんは染色体に異常がある病気、ダウン症です。母親のまゆみさんは妊娠中に検査を受け、ダウン症と知った上で出産しました。


(永田まゆみさん)「違うよねと思いながら検査を受けた。否定するための検査」

(夫の昇さん)「妻がそういった結果に仮になったとしても産みたいという気持ちがあったので、結果が早くわかった方がいいなと思いました」


妊婦の血液からダウン症など3種類の染色体異常の病気を調べる新出生前診断。精度が高く、羊水検査に比べ安全なため、日本では2013年から始まりました。

しかし、その後カウンセリングの体制が整わない無認可施設での検査が問題になりました。これを受けて日本医師会は、各都道府県に「基幹施設」を認定する制度を設けました。

(日本医師会)「認証を受けた医療機関を受診するメリットなどを国とも連携しながら妊婦の皆さんにわかりやすい形で周知していって、社会的な信頼を確立できるように地道に体制整備をしていくことなると思います」

県内の基幹施設の一つ、大分大学医学部附属病院。担当の甲斐医師は認証制度によって県内での検査が可能になることに期待を寄せています。

(大分大学医学部産科婦人科学講座・甲斐健太郎助教)「選択肢を与えることができたのが大事。希望した人が問い合わせをする場所がなかった。希望してもするとなったら、県外までいかないといけないがそういうことがなくなる」


新出生前診断はかかりつけ医からの紹介状を受けて基幹施設で受診します。血液検査を行い、結果は13日後に判明。陽性の場合は確定検査に進みます。

羊水検査で陽性が確定した場合、妊娠を継続するかどうかで精神的苦痛を抱え込むことも考えられます。