動かすだけで往復約130万円
ラグビーワールドカップのパブリックビューイングをはじめ、完成以来、様々なイベントで活用されてきた祝祭の広場。貸し出し件数、来場者数ともに増加傾向となっています。しかし、目玉の可動式屋根は法定点検の際の動作確認を除いては、一度も動かされていないのです。その理由について、市はこう分析します。
大分市まちなみ企画課 神野潔課長:
「コロナによって屋根を動かすような大きなイベントが開催されなかった。それともう1点がやっぱり動かす費用」
祝祭の広場の1日の利用料金は一般利用で2万9000円、商業利用で12万5000円です。一方、屋根は2つのうち1つを動かすだけでも往復で約130万円かかるといいます。
ちなみにレゾナックドーム大分の屋根の開閉費用は2万8100円。比較してもかなり高額といえます。

――どこにそんなにお金がかかるんですか?
大分市まちなみ企画課 神野潔課長:
「人件費が主になるが20人程度必要ですし、施設のボルトというのが一度締めてしまうと同じものを使えないのでその辺の材料費」
市によりますと、130万円の大半は人件費。動かす準備から元に戻すまでに20人程度の人員が数日間必要といいます。また、屋根は建築物であるため、固定している48本のボルトも動かす都度、新しいものに交換し、動かした後には建築基準を満たすかどうか検査を受けなければなりません。
大分市まちなみ企画課 神野潔課長:
「大型屋根は安全性を配慮して建築物として設計・施行されている。だから屋根を動かすということは曳き移転と同じ要領になるのでどうしても費用がかかるが、当時は今の案がベストだったと私どもは認識している」
祝祭の広場はオープンから5年目と節目にあたることから、大分市では11月にかけて市民3500人を対象にアンケートを実施。来年度以降も広場として継続すべきかどうか検証を進めるとともに、屋根の有効活用策についても検討する方針です。

大分市まちなみ企画課 神野潔課長:
「広場の活用方法を市民の皆さんに意向確認する中でまた常時とはいかないが市が動かす可能性についても検証していきたい」
3億8000万円をかけて整備された可動式屋根。有効活用に向けた模索が続きます。