大分県別府市の上人ヶ浜公園では今、大規模な整備事業が進められています。再開発が観光都市・別府にどのような意味合いをもつのか?一部の市民から“民業圧迫”などを理由に反対の声があがる中、事業を手がける貸会議室最大手ティーケーピーの河野社長を取材。今後の展望について聞きました。

体験型の複合施設へ、一部市民から反対の声

(糸永記者)「再開発が進められる別府市の上人ヶ浜公園です。当初は8月に工事が開始される予定でしたが、いまだ始まっておらず、こちらの砂湯も以前のままとなっています」

別府市にある上人ヶ浜公園。4万2200平方メートルの広大なこの土地では、名物である「別府海浜砂湯」のリニューアルを含めた大型施設の建設が予定されています。

ティーケーピー・河野貴輝社長

(ティーケーピー・河野貴輝社長)「私のふるさと大分で新しい価値のある空間を作りたい」

再開発は、民間の資金やノウハウを活用する「パークPFI」方式を採用。公募で選ばれた貸会議室事業で最大手のティーケーピーは、総事業費およそ15億円をかけて建設から維持管理までを一手に引き受けます。

(ティーケーピー・河野貴輝社長)「祖母の家がすぐそばにあり、このあたりはよく散歩していたコースだった」

ティーケーピーの創業者、大分市出身の河野貴輝社長(50)は再開発によって砂湯を2倍のスペースに広げるほか、宿泊コテージやカフェレストラン、アウトドアエリアなども取り入れ、体験型の複合施設に生まれ変わらせる構想を描いています。

イメージ図

(ティーケーピー・河野貴輝社長)「体験型なのでホテルではないですから、海沿いに体験施設を作って別府ってすごいな、また来ようという観光客を増やしていきたい」

再開発を巡っては、一部の市民から懸念の声があがっています。

(市民)「上人ヶ浜を自然のまま残してほしいという気持ちは私だけでないと思う」

計画案ではマツの木537本のうち、倒木の恐れがある31本を移植か伐採することになっています。

地元住民からはマツの木など環境保全を求める意見が出ています。

(別府市・長野市長)「公園というのは管理地ですから快適にいかに過ごしてもらうか。事業費を捻出せずに浮かせることで、市民サービスが向上していく」