大分県内のタクシー業界では、ドライバー不足が深刻となっています。別府市では課題解決に向けて新たな取り組みを始めました。
別府市の「別府はとタクシー」。先週金曜日の夜、配車室では電話での依頼が集中していました。新型コロナの5類移行に伴い、別府市では歓楽街の利用客や観光客の数が回復していて、いまタクシー不足が深刻化しているといいます。
ドライバー歴18年の渡辺英雄さんに現状を聞いてみると…
(別府はとタクシー・渡辺英雄さん)「知り合いで辞めて他の職種に移った人はいる。人手不足で、夜12時過ぎから1~2時までフル稼働ですね」
県タクシー協会によりますと、県内のタクシー運転手の数は、今年7月末時点で1720人とコロナ禍前と比べておよそ25パーセント減少。ドライバーの高齢化に加えコロナ禍での離職が背景にあるとみられています。
(別府はとタクシー・梅野壮太郎社長)「車は買えば増えるけど、乗務員さんはそういうものではないので、苦労しているところ」
こうした状況の解消に向け、別府市は8月下旬から週末の夜間を走る「ナイトバス」の運行を開始。事業費は968万円で午後10時半から午前0時台まで3つのルートであわせて7便が無料で運行されます。
(利用客)「週末はタクシーが少なくて乗れないこともある。大変ありがたい」
また、市はタクシーやバスの運転手として県外から移住してきた人に支援金を支給する独自の取り組みも始めていて、ドライバー不足解消に様々な方法で乗り出しています。
(別府市政策企画課・佐藤浩司参事)「観光する際の移動の術に加えて、市民が日常で利用する公共交通として確保することは非常に重要な問題だと思っている」
市民生活だけでなく観光客にも影響が広がっているタクシー不足。その緩和につながるか、市の取り組みが注目されます。