春を象徴する花といえば桜です。昔から親しまれてきた日本の春の風景を守り、受け継ぐ取り組みが始まっています。

大分県臼杵市の桜の名所「吉四六ランド」。およそ1500本が満開となっています。津久見市の青江ダム公園では、ソメイヨシノとヤマザクラが多くの人に愛されています。

(観光客)「満開でとてもきれいで楽しめています」「見ごたえがある」

ところで今、自治体や地域ではどう保全していくか、課題となっています。

(臼杵市教育委員会 社会教育課・若林ミヱさん)「ソメイヨシノは枝が折れたり、切り口が菌が侵入しやすいと言われています。寿命も60年程度と言われている中、吉四六ランドの桜はすでに40年以上が経過しています」

(青江ダム山桜まつり実行委員会・伊井操会長)「てんぐ巣病とかにかかると桜が枯れてしまうものですから、切っていくのがお金がかかることですし、それが大変です」

景観の維持には植樹や草刈といった地道な活動が欠かせませんが、人手不足などを背景に継続的な取り組みが難しくなっています。

こうした課題解決に向けて、キリンビールが展開するのが「晴れ風ACTION」。桜の保全活動の支援するため対象商品を購入すると売り上げの一部が自治体に寄附されます。

さらに缶の二次元コードから特設ページにアクセスすると支援したい自治体を選べます。対象は全国92の自治体で、県内からは臼杵市と津久見市が選ばれました。

(伊井操会長)「てんぐ巣病とかの木の伐採と植樹するというところまで、その費用を応援してもらうようにしています」

また、キリンビールが3月スタートさせたのが「桜AIカメラ」です。スマートフォンで撮影した桜の健康状態や樹齢をAIが判定。位置情報と一緒に自治体に届けられ保全活動に役立てられます。

(若林ミヱさん)「吉四六ランドの桜を10年後、20年後も見ることができるように、将来子どもや家族を連れてお花見に来られるように大事に手入れしていきたい」

古くから愛されてきた春の風景を未来へつなげる。行政と企業、そして住民が力を合わせて桜を守り受け継ぐ取り組みに期待が寄せられます。