大分県中津市の国道で今年1月、迷子になっていた5歳の男の子を保護した女性2人に対し、警察から感謝状が贈られました。

感謝状が贈られたのは、いずれも中津市の双葉ヶ丘幼稚園に勤務する中村由貴さん(37)と甲斐桃香さん(37)です。

1月16日午前8時前、中村さんは車を運転して出勤する途中、進行方向とは反対側の国道脇を走っていた男の子(5)を見つけました。男の子は長袖のシャツを着ていましたが、下着姿で裸足だったため、中村さんは異変を察知し、車をUターンさせて声をかけました。

その様子を目撃した同僚の甲斐さんも車をとめ、2人で男の子の安全を確保し、警察に通報しました。

この日の中津市の最高気温は6.1度、最低気温はマイナス0.7度。真冬並みの寒さの中、薄着姿の男の子が無事保護され、2人は安堵したといいます。

左)甲斐桃香さん 右)中村由貴さん

中村さん:
「下着のまま裸足で走っていたので、何かあったのではと心配になって声をかけました。すごく寒かった日なので、無事に送り届けることができたので安心しています」

甲斐さん:
「車の通りが多い場所だったので、けがをすることもなく、お母さんのもとに戻ることができて本当によかったと思います」

男の子は普段、母親と一緒に市内の幼稚園に通っています。この日は、母親が家でもう1人の子どもの外出準備をしていましたが、男の子は置いて行かれたと勘違いし、家を出てしまったとみられています。

ほぼ同じ時間帯に母親が「子どもがいなくなった」と110番通報していて、警察はすぐに男の子の身元を特定。自宅も発見現場の近くにあり、警察官が送り届けた際、母親は「ご迷惑をおかけしました。ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えたということです。

左奥)河野康成署長 右奥)若山英樹生活安全課長

中津警察署の河野康成署長は「日頃から幼児に接するプロとしての姿勢の表れだと思います。行動が遅れることなく、とっさの判断による素早い対応に感謝します」と述べ、2人の功績を称えました。