2年前の豪雨災害から復興に取り組んでいた大分県由布市にある湯平温泉。今回の台風14号で再び被害に見舞われました。被災地では懸命な復旧作業が続いていますが、再建に向けて複雑な思いが交錯しています。

■変わり果てた自宅兼店舗「命があっただけよかった…」

9月の連休に大分県内を襲った台風14号。由布市湯布院町湯平では「花合野川」の護岸が崩れ、住宅や道路が崩壊するなどの被害が相次ぎました。

(おきぱん・右田雅美さん)「ここからちょっと傾いているので気をつけて。家の奥がもう落ちて床にすき間ができている状態」


温泉街でパン屋「おきぱん」を営む右田雅美さん(48)。川沿いにある自宅兼店舗は、地下部分が崩れ落ちました。右田さんは、夫と2人で事前に避難を済ませ無事でしたが、翌日、変わり果てた自宅を目の当たりにし、言葉が出なかったと振り返ります。

(右田さん)「なんとも言えないですよね。でも命があっただけよかった。家はまたどうにかなるので…」


「おきぱん」は県内外のパン屋が集結するイベント「パンフェス」にも出店経験があり、根強いファンのいる人気の店です。ことし10月で創業9周年を迎えますが、被災したため営業停止を余儀なくされました。

右田さんのもう1つの顔、それは温泉街の高台にある旅館の女将です。