院内で血液を運ぶ「宅配ロボット」医療現場での実証実験と課題

県の補助金を活用し、長崎市のシステム開発会社であるNDKCOMなど3社が共同で取り組む「宅配ロボット」効果とともに課題も見えてきたようです。

開発、実証実験が行われているのは自動運転宅配ロボット「DeliRo(デリロ)」です。自動運転技術を搭載し、最大時速6km(歩くくらいの速さ)で走行して指定された場所に荷物を届けることができます。

今月、長崎市の虹が丘病院で、採血した血液を臨床検査技師に渡す実証実験が行われました。1日に採血室と検査室の間を《約30往復》する技師や看護師の負担を少しでも減らそうと、時速3キロで血液を運びます。

虹ヶ丘病院 臨床検査技師 永田るりこ室長:
「午前中の外来はちょっと人手が足りないかなと思いますので、人じゃなくても大丈夫な部分を機械がやってくれるっていうのはすごくいいと思います」

宅配ロボットは、予め設定したルートで動き、前方1メートル以内に人が来ると自動で止まります。

虹ヶ丘病院 馬場剛事務長:
「将来的には建物自体もロボットに合わせたような建物っていうのも必要になってくるのかなと感じました。
今から5年、10年、20年後っていうところの導入になってくるのかなと思うんですけど、先々ちょっと楽しみにはしてます」

病院内で使用する際の課題も見えてきました。

NDKCOM 新規事業創成プロジェクト 水田真之介主任:
「一番感じたのは患者さんとの往来をロボットがどうやって処理するかですね。やっぱりどうしてもロボットが先に行こうとしたりするんで、例えばロボットの走行経路を(通路の片方に)寄せたりして、患者さんとのスペースを空けたりとかですね。実証実験を重ねて、早いうちに社会実装ができればいいなと思っています」

宅配ロボットは、最大50キロまでの荷物を運ぶことができます。今後、坂道での宅配業務などを視野に実証実験を行い、3年後の実用化を目指すということです。