2030年には長崎で約6万2,000人の人手不足が予測されており、ロボットやAIの活用が重要視されています。警備や清掃、配送ロボットなどを導入している企業もでてきています。企業の“ロボット導入”の課題とは──

【住吉 光アナウンサー(以下:住)】長崎の暮らし経済ウイークリーオピニオン今週も平家達史NBC論説委員とお伝えします。

【平家達史NBC論説委員(以下:平)】今週は、現在大きな社会問題となっている「人手不足」への一つの対策といえるテーマです。

県内でも活躍中 ロボットで人手不足解消へ

【住】「人手不足」については、このコーナーでも度々取り上げてきましたが、いわゆる「2024年問題」が4月に迫っていることもあって、対策が急がれますね。

深刻な人手不足

【平】今月26日に発表された2024年版九州経済白書によりますと、2030年には、長崎ではおよそ6万2,000人の働き手が不足すると推計されています。

九州経済調査協会は「人手不足が深刻化する中、ロボットや人工知能(AI)の活用を含め、省力化を進めることが重要」と指摘しています。

【住】足りない人手をロボットで補うという発想は理解できますが、現状はどうなっているのでしょうか?

ロボットの現状と活用事例

【平】“製造業”の現場では、ロボットはすでに普及していますが、“非製造業”の分野でもロボットが活用されるようになりました。ロボットが実際に人手不足対策に繋がっている事例を取材しました。

JR長崎駅に隣接するアミュプラザ長崎新館。入り口では警備ロボットが目を光らせています。

警備ロボット:「こんにちは」
子ども:「あ!言った!かわいい」

警備ロボットは2台。「ルーカス君」と「ノア君」です。

警備ロボット:「警備ロボット、巡回中です」

2台には、それぞれ担当フロアがあり、およそ2時間で3つのフロアを巡回します。別のフロアへ移動する時は、自らセンサーでエレベータを呼んで乗り込みます。

警備ロボットには胸と頭上、背中に3つのカメラがあり、別室の警備員が、映像をチェックしています。

2台のロボットの映像を1人で確認でき、人員配置の効率化に繋がっています。

JR九州セコム 高比良大洋さん:
「業務としては少し負担が減ったのではないかと思います。人が見る景色とロボットの視線っていうのもちょっと若干違うものがありますので、今まで気づかなかったことがロボットを通して気づくこともできて」