鎖国時代の技術を伝える貴重な建物 出島復元の参考に

かつて、外国船の乗組員を相手にするため、多くの店があった梅香崎町で、梅香崎商店は『三上商店』という名前で商売をしていました。

実は、長崎市内のある文化財に大きな影響を与えています。

それが、鎖国時代、西洋との貿易の窓口だった“出島”の復元作業です。
出島の最高責任者・カピタンの部屋の復元も、三上商店を参考にしています。

長崎市文化観光部 出島復元整備室 和田 奈緒さん:
「例えば、この“カピタン部屋”ですと、小さな屋根、そのひさしの下に付いている“雲型の持ち送り”。こういった細部の仕様だったりとか、2階の手すりの外側の雨戸に“戸袋”が付く構造など、三上商店さんのものを参考にさせていただいています」

ひさしを支える“持ち送り”を三上商店と比べると、忠実に再現されていることが分かります。

1996年から始まった出島の建造物復元事業では、三上商店をはじめとする長崎市の町屋が復元の参考にされました。
その後、多くは解体されましたが、三上商店は今なお、鎖国時代の長崎の職人の技を伝えています。

長崎市文化観光部 出島復元整備室 和田 奈緒さん:
「現地に当時あったものが、残ってるっていうのはすごい貴重なことなので、歴史的な価値もありますので、残っていってくれたら嬉しい」