■東京2025世界陸上競技選手権大会(14日、国立競技場)
男子100m決勝が行われ、ジャマイカの新星、O.セビル(24)が9秒77(+0.3)で初の金メダルを手にした。男子100mのジャマイカ勢としては、15年世界陸上北京でU.ボルトが金メダルを獲得して以来、10年ぶりの頂点となった。
世界陸上2大会連続4位のセビルが、決勝の大舞台で激走を見せた。スタートから飛び出すと、自己ベストを0秒04更新し1着でフィニッシュした。
男子100m決勝、静寂に包まれたスタートとなったが、パリオリンピック™200m金メダリストで前回大会銀メダルの8レーン・L.テボゴ(22、ボツワナ)がフライング。不正スタートのため失格となった。
仕切り直しとなったスタート、反応良く飛び出したセビルが、最初の10mでトップに立ったが、K.トンプソン(24)の猛追にあい、金メダル争いはジャマイカ同士の激突に。50m付近でN.ライルズ(28)もスピードに乗った走りを見せたが、後半、セビルがスピードを上げ、そのまま抜け出し逃げ切った。国立競技場で観戦していた世界記録保持者のU.ボルト氏もジャマイカ勢のワンツーフィニッシュに大興奮で、大喜びしていた。
レース後、インタビューに応じたセビルは「自分がチャンピオンになれると信じてずっと頑張り続けてきた。その結晶がこの金メダルに詰まってる」と感激した様子。ジャマイカ勢として男子100m、10年ぶりの金メダル奪還に「自分自身も幸せだし、ジャマイカのみんなも喜んでくれる。最高の気分だよ」と笑顔を弾けさせた。
前日の予選で、3大会連続のファイナル進出を狙ったサニブラウン アブデルハキーム(26、東レ)は10秒37の7着、桐生祥秀(29、日本生命)は10秒28の組5着。初出場の守祐陽(21、大東文化大)も10秒37の組7着で、日本勢は3人とも無念の予選敗退となった。
【男子100m 結果】+0.3m
金)O.セビル 9秒77
銀)K.トンプソン 9秒82
銅)N.ライルズ 9秒89