”航空自衛隊基地 2つ分”を超える戦闘機搭載の空母ミニッツ

九州からおよそ600キロ離れた洋上。入港に先立ち、アメリカ軍は地元の報道機関に対しニミッツでの訓練の様子を公開しました。

山口 仁記者:「東シナ海を航行中の空母『ニミッツ』に来ています。これから艦載機の離発着訓練が行われます」

爆音を轟かせるのは、戦闘攻撃機”スーパーホーネット”
20~30秒間隔で発艦と着艦を繰り返す激しい訓練です。有事がいつ起きても即座に対応できるアメリカ軍の力を見せつけていました。

自衛隊OBの香田 洋二さんは、ニミッツの攻撃力を日本の航空自衛隊基地 2つ分と表現します。

元海上自衛隊・自衛艦隊司令官 香田 洋二さん:
「航空自衛隊の基地 2つ分を超える戦闘機を積んで、非常に大きな打撃力を持っているということで、必要とあれば、世界のどこにでも必要な行動をできるという、ここが1番大きな特徴だと思います」

現在、神奈川県横須賀基地には原子力空母『ロナルドレーガン』が配備されています。今回『ニミッツ』の佐世保入港で、日本周辺に2つの空母が揃ったことになります。

米軍「たまたま揃った」G7開催との関連を指摘する香田氏

『ニミッツ』で空母グループ全体を指揮するスウィーニー司令官は「特別なメッセージはない」としましたが、香田さんはG7との関連を指摘します。

空母「ニミッツ」打撃群司令官 クリストファー・スウィーニー司令官:
「大きな目的があるわけではなく、たまたま『ニミッツ』と『レーガン』が揃っただけのことです。日米同盟の証として佐世保を訪問しましたが、特別なメッセージはありません」

香田さん:
「やはりG7の(広島から)少し離れたところで、アメリカの空母がいるぞ、ということを中国だけじゃなくて、テロリストとか、そういう人たち全部に向けて示しているわけです。(入港を)G7と合わせたということは充分考えられます」

一方、独自に空母を建造するなど近年、海軍力増強を図る中国。スウィーニー司令官は、空母運用の習熟には時間を要するため「脅威とは感じていない」としています。

スウィーニー司令官:「我々は100年前から、空母を使った洋上での飛行機の運用に取り組んできた。この能力を持つためには長い時間がかかるので、中国が空母を保有しても心配していない」

香田さん:「中国は今、空母を3隻目も4隻目も造ろうとしているんですけども、使いこなすという面でいうと、もう少し時間がかかるよと。ただし5年も経てば、追いついてくるということですからね」

アメリカが保有する原子力空母は現在11隻。
これに中国側がどこまで対抗し、軍拡を進めるのかが注目されています。