坂の町の公共交通空白地域──自治体も模索

免許を返納したいと思っても、なかなか車が手放せない生活の現状。
自治体も課題解決に向け模索しています。

ことし1月から長崎市が実証実験を行ったのは『鳴滝あいのりタクシー』です。

利用者:
「病院に行くんです。バスが全然ないでしょ。もうタクシー以外ない」

予約制で鳴滝地区から新大工までのおよそ1.5キロを、大人1人 400円で利用できます。

利用者:
「その前はバイクやったんですよ。もう年齢がね。(免許を)返納して。歩くのが億劫になって」
(Q:あいのりタクシー使ってみてどうです?)
利用者:「便利よく、乗せていただいています」

斜面地が多い土地柄、長崎市では、バス停や電停から距離がある『公共交通空白地域』と呼ばれる場所に住む人々へのフォローが必要だと考えています。

長崎市 まちづくり部 公共交通対策室 金原 哲治 室長:
「結構お年寄りの方たちが多く住んでいるまちが、その “斜面市街地”なんですね。社会が高齢化すればするほど、公共交通の重要性というのは反して高まってくる」

一方で、相乗りタクシーの事業化には課題もあります。

長崎市 まちづくり部 公共交通対策室 金原 哲治 室長:
「タクシーで いままで “1人で1,000円”払っていた人たちが、“3人乗り合わせて400円ずつ” しか払わないと『本当は3,000円の収入があったんじゃないか』っていう考え方もある。
『1人 1人乗せるよりも、併せて乗せていったら “需要が増えて” プラスマイナスゼロだよね』というような数字が もし出せれば、事業化を進める事業者もいるんじゃないだろうかと」