

強化プラスチックでできた特殊な帆が 最大53メートルの高さまで広がります。

商船三井 水本 健介さん:
「帆の一番上に風向風力計というものがついておりまして、風の向きを感知して帆の向きを調整します。
また、風の強さ、風力を感知しまして、帆の高さを調整します」

この“帆”が風を捉え、推進力に変えることで、燃費の向上はもちろん航路によっては最大で8%ほどの二酸化炭素排出量の削減につながります。


商船三井 エネルギー営業本部 杉山 正幸 第二ユニット長:
「化石燃料を焚きながら化石燃料を運んでいるという仕事は、なかなかこれからご評価いただけない状況になってくる。
お客様からも うちの荷物も“こういう船でやってくれないか”という話もいただいている。
商船三井の“海運業”、本業を“脱炭素化”していくということは是非やっていきたい」

国内外で注目度が高まっている“船舶の省エネ技術”──
ひとたび実用化につながる技術が生まれれば、すそ野の広い造船産業においては製造業などの関連産業に広く経済波及効果をもたらします。
実際、今回の製造にも10社以上が関わっています。

大島造船所 岩下 達郎 常務取締役:
「骨組みとかは地元の企業さんにお願いしているものもありますので、ますますウインドチャレンジャーの数が増えていけば、地元の企業も活性化できるんじゃないかと。多数発注していただけるようになればありがたい話」
県は商船三井との協定が、こうした省エネ技術を新たに生み出すきっかけになればとしています。

長崎県 産業労働部 新産業創造課 黒島 航 企画監:
「こうした“環境対応船”の動きが 今後ますます活発化していくと考えておりまして、そうした中に県内の企業がどんどん参入、またはサプライチェーンの中に入っていけることに繋がっていくのではと期待している」
海洋再生エネルギーでも期待

さらに県は、商船三井の持つノウハウを 近年開発が進む“風力”や“波力”といった『海の再生可能エネルギー』分野で活用したい考えです。