海外でも活躍する長崎県諫早市出身の美術作家 徳永博子さん。
複数の両面を繊細に削り、それを重ね合わせることで“その先”を感じさせる独自の技法で作品作りを行い、昨年はニューヨークで展示も行いました。
作品を通して感じた自身の“ルーツ”や“アートの魅力”とは?
■「空間に絵を描く感覚」

透明だけど、そこにあるもの──
美術作家・徳永 博子さんは、アクリル板を削り、作品を制作しています。


美術作家 徳永博子さん:
「空間に絵を描くような感覚がある。二次元的ではない感じが私はします」

神秘的で不思議な味わいの作品。

繊細な線が密集し、まるで浮いているかのようです。

神奈川県川崎市。


車の修理工場だった建物は、様々なジャンルのアーティストが入る共同アトリエになっていて、徳永さんは、その一室で制作しています。

電動の工具を使い、一日に7~8時間削ります。

美術作家 徳永博子さん:「かなり細かいですね。結構、手痛くなります」
こちらは、森の中で体験した霧をイメージして作っています。



美術作家 徳永博子さん:
「この『ミスト』っていう作品は、向こう側に何か確実にあるっていう安心感と、でもほんとにあるのかっていう不安感みたいなもの。
結構、作品を作ることって近いかなと。こういう風にしたいってゴールはつくってやるんですけど、最初の方ってほんとに見えないので、ちゃんとそこに行けるのか、とか、もっといいものができるのか、とか、期待と不安がバーッと混ざるって同じだなと」