■ “用済みとされた陶器たち”に吹き込まれた“永遠の命”
425年前、耳たぶを削がれ、京都から長崎まで歩かされた二十六聖人。
その道のりを今井さんは自らたどって、使われていない陶器を集め、壁画に使いました。

不要になったものに新しい命を吹き込む『フェニックス モザイク』という独自の手法。

妻を亡くし、孤独の中にいたと言う今井さんは『フェニックス(不死鳥)』のように蘇っていく陶器たちに、亡くなった魂への感謝と賛美を込めたのかもしれません。

モザイク造形家・張未怜(チャン・ミリョン)さん:
「エネルギーをとにかく感じます。今井兼次さんの。ピュアな感じをすごく受けます」

ステンドグラス職人・鈴木正次郎さん:
「今井さんなのか26聖人の方々なのかはわからないけど何となく誰かに見られてるのかなという雰囲気は持っていたので。力のある光が輝いている様な作品だと思います」

作業開始から半年がたった10月末日、日本二十六聖人記念館「信徳の壁」の修復が完了しました。

汚れを落としてもらい、すっきりとした表情の十字架たち。
絵の具の調合とプロの絵筆で “万を超えるピース”が 60年前の風合いを取り戻しました。

一度は“用済みとされた陶器たち”はこれからまた60年、長崎の地で信仰を守り抜いた26人の祈りを伝えます。

遊工房代表・宮川雄介さん:
「感無量です。名残り惜しいです。これだけ離れても(エネルギーが)伝わってくるのでいい絵なんだなと感じます。
いや…唯一無二だと思う。こんなのはタイにもバルセロナにもないので。もっともっと誇りをもって、この街に根付いてくれればなと思います」

時を超える名建築が長崎駅の目の前に──
日本のガウディ・今井兼次さんの『フェニックス モザイク』が美しい復活を遂げました。
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来年は東側の壁「望徳の壁」を修復へ新しく壁にとりつける皿を市民から集める予定。











