国が定める被爆地域の外で原爆にあった「被爆体験者」が、被爆者手帳の交付を求めた裁判で原告の半分以上の訴えを棄却した9日の長崎地裁判決を受けて10日、原告らが、県と長崎市に問題の早期解決を改めて申し入れました。

原告らは10日、被爆体験者問題の早期解決を求める要請書を市の担当者らに手渡しました。この問題をめぐっては長崎地裁が9日、被爆後に「黒い雨」が降ったと認定した東長崎地区の原告15人を「被爆者」と認め被爆者手帳の交付を命じる判決を言い渡した一方、残りの29人の原告については訴えを退けました。原告らは「被爆体験者は被爆者」という原点に立って問題の解決を図るよう長崎市や県に要請しました。

(第2次全国被爆体験者協議会 岩永千代子 原告団長)

「(訴えの認められた)15名の人たち(について)、市も県も控訴しないと私は思っております、信じておりますけど」

市や県の担当者は「判決文を精査していないのでコメントを差し控える」などと繰り返し、具体的な解決策は示しませんでした。長崎市の鈴木市長は市議会議長らとともに10日上京して厚生労働省に対して9日の判決を受けて緊急の要請活動を行うことにしています。