被爆体験しているのに・・・

1945年、アメリカ軍が長崎市に投下した原子爆弾。強烈な熱線・爆風・放射線によってその年だけで7万4千人が死亡しました。

国は原爆の影響を認める半径5キロを基本に当時の長崎市を被爆地域に指定。「被爆体験者」はその周辺、爆心地から12キロ圏内の被爆未指定地域にいた人たちのことで原爆の影響はないとされています。

しかし広島では被爆地域の外で「黒い雨」を浴びた人たちが裁判の判決を機に2年前から被爆者と認められるようになりました。2021年に確定した広島高裁判決。「黒い雨」に含まれた放射性微粒子による内部被ばくの可能性を認めた画期的な判決でした。

判決を受け入れた国は新たな基準を作り遠くは爆心地から40キロまで「黒い雨」が降った地域にいた6千人以上を被爆者と認めました。しかし救済したのは広島だけ。

面会の席で被爆体験者は「同じような状況だった自分たちを被爆者と認めないのは憲法違反だ」と訴えました。総理はー

岸田総理大臣:
「政府として早急に課題を合理的に解決できるよう指示をいたします」

「被爆者と認める」ーとは言わなかった岸田総理。

全国被爆体験者協議会・相談役 平野伸人さん:
「総理…被爆体験者は被爆者でしょ、被爆体験者は被爆者じゃないんですか?これを見て下さい。被爆者かどうか言ってください」「被爆体験者は被爆者じゃないんですか?岩永さんの声が聞こえないんですか?」

岸田総理:
「一生懸命やりますので」

この5日後、岸田総理は突如退陣を表明。救済の行方は不透明です。