今回は、夏の風物詩「麦わら帽子」を作っている宮崎市の製帽所を紹介します。
なかなか見ることのない麦わら帽子づくりの様子です。
オーダーメイドも手掛ける老舗
心地よく響くミシンの音。ここは宮崎市谷川の井上製帽所。
麦わら帽子を作り続けて100年以上の老舗で、メインは卸売り。オーダーメイドも手掛けています。

(井上製帽所 四代目 井上 智文さん・49歳)
「『ここの帽子がいい』という方や、『市販の物では小さいので大きいのを作って欲しい』、そういう方がよくお見えになります」

帽体縫い
麦わら帽子を作る工程は大きく分けて3つあります。(井上製帽所 四代目 井上 智文さん・49歳)
「一番最初に、『帽体縫い』といって帽子の形を縫います」

材料は、麦わらをひも状にした真田(さなだ)。
ちなみに真田は、同じ名前の戦国武将が編んでいたことから名づけられたと言われています。
(井上製帽所 四代目 井上 智文さん・49歳)
「縫えるまでに3年とか(かかる)。簡単に見えて難しいです」
帽体縫いの担当はこの道60年以上の大ベテラン
難しい麦わら作り。帽体縫いを担当しているのは、この道60年以上の大ベテラン、時任 慶子さんです。

(職人 時任 慶子さん・80歳)
「全然違う型だけどそれに合わせて(作って)いる。勘でやっていますね」
金型の数だけ帽子の数
こちらは型入れという次の工程。(井上製帽所 四代目 井上 智文さん・49歳)
「さっき縫った帽体を型に入れてきれいな形に成型しているところです。下をガスの火で温めて、これ(レバー)で水圧を上げてプレスをしています」

熱と圧力で帽子の形を整えています。
(井上製帽所 四代目 井上 智文さん・49歳)
「これ金型ですね。これで(帽子の)形を作るんですけど、ここがへこんでるので、こういう形ができます。金型の数だけ帽子の数ができるので大事なものです」

型入れを行った帽子の表面は見た目もきれい。触るとつるつるとしていて気持ちがいいんです。
最後に、リボンやあごヒモをつけたら麦わら帽子の完成です。

製作者の願いは
(職人 時任 慶子さん・80歳)「(お客さんが)熱中症にならんようにですね。それが一番です」
(井上製帽所 四代目 井上 智文さん・49歳)
「みなさんによろこんでいただける帽子作りができればと思っております」
きょうも麦わら縫う、心地よい音が響いています。

※MRTテレビ「Check!」7月13日(水)放送分から