先月、比叡山での修行を終え、僧侶となった宮崎市の女性です。
甲斐晴惠(せいけい)さん、亡くなった住職の父の思いを継ぎ、結婚式などの司会業から僧侶へと転身しました。
住職を目指す晴惠さんに密着しました。
お寺の将来を漠然と考えてはいた
宮崎市瓜生野(うりゅうの)にある「王樂寺(おうらくじ)」。
本堂でお経を唱えているのは、女性の僧侶、甲斐晴惠さん(35歳)です。

先月、天台宗の僧侶になったばかりの晴惠さん。
実はもともと、結婚式やイベントなどの司会業をしていました。

(甲斐晴惠さん)
「つい2年前ぐらいまでは僧侶になるなんてこれっぽっちも思っていなくて、父が病気になって、長くないっていうのがわかってから、ほんとに動き出したような感じでした」
王樂寺の住職を務めていた晴惠さんの父、裕隆(ゆうりゅう)さん。
肝臓がんの治療を受けていましたが、おととし11月、余命3か月と宣告されました。

(甲斐晴惠さん)
「『お寺ってどうしていくんだろう』というのは漠然と考えてはいたんですけど、それ(父の余命宣告)を突き付けられたときに、もう、これ(自分が継ぐ)しかないっていうので自分の中ですんなりでしたね。」
弟子入り、出家、比叡山での修行
晴惠さんは、跡を継ぐことを父、裕隆さんに伝え、裕隆さんは去年3月、67歳で他界しました。
その後、晴惠さんは、国富町・萬福寺の永井義寛(ぎかん)住職に弟子入りし、去年9月、弟の清隆さんとともに出家。

そして、今年4月から、正式に天台宗の僧侶となるため、比叡山で60日間修行しました。

(甲斐晴惠さん)
「夜中2時前には起きて、起きてすぐ沐浴といって冷たい水を浴びて体を清めないといけないので、そこから始まって、また4時間くらいお勤めをしてっていうのが3回繰り返される。もう、あっという間の日々でした」