先月22日、霧島連山の新燃岳が7年ぶりに噴火してから1か月が経ちました。
現在も断続的に噴火する中、専門家は「マグマ水蒸気噴火」に移行しつつあると分析しています。
先月22日、7年ぶりに噴火した新燃岳。
噴火はこの1か月断続的に発生し、噴煙が火口から最大5000メートルの高さまで上がったほか、火山ガスの放出量は、多い日で1日あたり4000トン観測されました。

地震や火山の研究を行う宮崎公立大学地域連携・防災研究センターの山下裕亮准教授は、21日未明に発生した噴火に注目。
この時、「えびの岳」付近の地下にある「マグマだまり」が収縮し、新燃岳の火口方向へマグマやガスなどが大きく移動したと指摘します。
(宮崎公立大学 地域連携・防災研究センター 山下裕亮准教授)
「6月22日の噴火が始まったときにも変化が出たが、その変化以降としては最大。だから、表面現象としては今落ち着いているようにも見えるが、地下では何かしら動きが続いている」
また、産業技術総合研究所の調査で火山灰にマグマとみられる破片も含まれていてることから、山下准教授は、新燃岳の噴火が「水蒸気噴火」から「マグマ水蒸気噴火」へ移行している可能性があると分析しています。
(宮崎公立大学 地域連携・防災研究センター 山下裕亮准教授)
「マグマが関与したような痕跡が火山灰の中に含まれる割合がちょっとずつ増えてきているという結果は出ている。つまり、マグマと直接水が触れ合うような『マグマ水蒸気噴火』に次のステージとしてはおそらく移行していくだろうと考えられる」
そのうえで、山下准教授は、過去の教訓を生かして、今、できる備えをすることが重要だと話します。
(宮崎公立大学 地域連携・防災研究センター 山下裕亮准教授)
「最悪のケースに備えるというのが一番の鉄則。2011年の(マグマ噴火)のときに被害を受けた皆さんはどう対応すればいいかというのは分かっている方は分かっているかもしれない。何を備えていいか分からないという方は、ぜひ、周りのこうしたらいいということを知っている方に話を聞くというのも今がチャンスだと思う」